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メタボリックシンドロームにおける運動療法の実際と注意点

運動療法は食事療法とともにメタボリックシンドロームを改善させる基本的手段である.本稿ではメタボリックシンドロームに対して一般に推奨される標準的な運動処方に基づき, その実践と注意点について概説する.メタボリックシンドロームは心血管疾患の重要な危険因子であることから,運動療法の開始に先立つて心血管系の評価を行うことが基本となる.胸痛やふらつき,めまいなど心血管系疾患を示唆する症状の有無にかかわらず問診,身体所見胸部X線,心臓·血管エコー図,安静時心電図,運動負荷試験などを実施すべきである.また腎機能,肝機能を含めた一般的な全身スクリーニングとともに糖尿病を合併している場合には,糖尿病性細小血管障害についての評価も行う.運動器障害や骨粗鬆症に対するメディカルチェックも重要であり,後者は特に運動中の転倒による骨折リスクの判定に参考となる.

作者单位: 京都大学大学院人間·環境学研究科 [1]

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